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窓の満月オリジナルソング「星の向こうに」編曲とPV編集の裏側


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ブラザーです。11月11日はポッキーの日ですね。それより、令和1年11月11日という「1」が揃う素晴らしい日ですね。というわけで今日のブラブロです。

 

タイトルにも書きましたが、窓の満月オリジナルソング「星の向こうに」のPVがついに公開となりました。今回、編曲とPV編集を担当させていただきましたが、その裏側について本日は書きたいと思います。

 

 

「星の向こうに」編曲の裏側とオリジナルのアレンジについて

オリジナルソングの編曲について

編曲において、常に頭の中に意識している言葉があります。それは、編曲家 島田昌典さんが情熱大陸に出演された際に、番組で紹介されていた名言です。

その名曲たちがすっぴんの頃に、そっと印をつけておく。ひとさじの隠し味を・・・

 深いですね。「ひとさじの隠し味」という表現に鳥肌が立ちました。僕はプロの編曲家ではありませんが、アマチュアでも同じことは言えると思います。オリジナルであれ、カバーソングであれ、編曲者は作詞者・作曲者の意図を汲み取り、プレイヤーが演奏をする際に、表現したい方向へと導く印を付けてあげることが役割だと思います。僕らは、編曲者であり楽曲コピーを行う人間ではないということを常に意識しています。

 

オリジナルにおいては、コードと歌詞のみで構成されたデモ音源に、さらにメロディーを加えたり、前奏・間奏・後奏をつけていく必要があるので難易度が増します。なので、どれだけデモ音源を聞き込んで、そこから自分なりにイメージを膨らませることが重要であると感じます。

 

聞き手の「時間」をイメージした編曲

「星の向こうに」のデモ音源を、作詞と作曲を担当した江藤駿から送ってもらった時に、パッとイメージしたのは「甘い青春の恋」「銀河の広がり」「緊張感」「自身との闘い」というフレーズでした。この時、青春感を大事にすべきか・・・とも思いましたが、ここを重視し過ぎると聞き手の時間を制限すると思いました。つまり、「青春ソング」なのかどうかは、聞き手が判断することであって、それが現在進行形の恋愛でも間違いではないということです。それを前提条件とした上で今回の編曲をはじめました。

 

アニソン要素を加えた編曲

今回の楽譜制作にあたり、メンバーと話していたのはアニソンのような要素も含めたいというものでした。明るさと親近感の2つをどう表現するかを考えた時に行き着いたものです。以前、KTRの依頼で制作したアイドルマスターの「READY」という曲を編曲したこともあり、そちらを参考にしました。スピード感があり、曲の中に様々な展開がある曲で非常に面白いです。


READY IM@S

前奏と後奏のヒントは、東京スカパラダイスオーケストラがきっかけ

僕は編曲を行う時に、1番→2番→間奏→落ちサビ→大サビ→後奏→前奏という順に制作しています。もちろんやり方に正解はありませんが、前奏を最後に作る理由は曲が一つに繋がるように、始まりと終わりのイメージに統一感を図るために最後に前奏を作っています。

 

今回、後奏と前奏をイメージしている中で、星空というフレーズから「ブラス感があると面白いかなぁ」と考えました。上記でも書いたように、「時間」は聞き手が決めるものであり、青春感に偏りすぎないように大人な要素も加えたいというところから、東京スカパラダイスオーケストラを参考にブラス感を出そうと考えました。


縦書きの雨 feat.中納良恵(EGO-WRAPPIN') / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA

 

落ちサビに向けたスピード感を三度転調でさらに加速 

三度転調ってほんと便利です笑。「え、変わったの?」と思わせるくらいの転調なので、よく編曲の際に利用をしています。心の瞳の編曲を行った際にも活用している三度転調ですが、今回の編曲では三度転調を用いて間奏を構成し、さらに加速感を増した状態で落ちサビに持っていくようにしました。 

 

PV制作と音の可視化

曲の雰囲気を可視化させること

上記では、編曲について記載を致しましたが、これを可視化させるのが「MV・PV」というものですね。この可視化は、頭の中で自身が描いてきたものを、言葉や画像で可視化させるので非常に面白いです。ただ、些細なところまで注力をかける必要があり、本当に地味な作業でございます笑

 

曲を表現した6枚の絵

今回、PV制作にあたり社会人アカペラサークルオトナリ所属の”ベリー”に作画の依頼をしました。

 

 非常に素晴らしい作画をしていただけました。1枚1枚に非常に深い想いが込められており、水彩画風という雰囲気で堅苦しくなく親近感がある絵となっていますね。この6枚の画像を崩すことなく、これらが活きるような作品を作ることも「ひとさじの隠し味」であると考えています。

 

VHSの乱れ

PVの中に現れてくる「VHSの乱れ」(VHSってもはや死語か・・・)ですが、まあ最近はあまり見なくなりましたよね。これは編集中にたまたま思いついたもので、なぜこれを途中途中で使用しているかというと・・・

 

VHSって映像記録用のテープですよね。再生すれば映像が流れますし、削除すれば乱れが発生します。 よく昔のビデオって、こういう乱れがあった後に映像が流れたりしたんですよ。VHSを「心の中にある自身が思い描く映像の記憶媒体」として表現し、どんどんと過去の記憶または現在の記憶が切り替わる表現をしました。VHSなので、昔のアナログテレビ感を出すために4:3のアスペクト比も考えましたが、現代においては16:9が当たり前なので、ここでも時間を制限しない表現を活かしました

 

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ネオン街の雰囲気で、ちょっと大人な雰囲気を作る

「星空がテーマなのに、何でネオン街やねん」っていう話ですが、ここで曲とのギャップを作りたかった(かっこつけたかった)というのが本音です。ネオン街って見方によっては星空みたいにキラキラ光っているように見えますよね。街の夜景もそうですし、上のVHSの乱れも、細かな粒子という点では「星の集合体」のように表現もできます。自身が街を駆け巡るような想いのなかで、星もまた空を駆け巡るような雰囲気を出すために、タイトルでは背景を星ではなく、ネオン街(夜景)のような表現にしました。

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色が違う星たち

街中を車が駆け巡るシーンが1番と2番の間にあります。(このシーンは昔、後輩に運転してもらいながらGoProの試し撮りで撮ったものです)。これは、自身の心の中を様々なものが駆け巡るという表現とともに、自分が求めている星はこの星なのか!という、自分が向かう場所を探し求める心境を表現しています。つまり色が違う星は、自分が求めている星空とは違うものであり、自分が自分に嘘をつくことで生み出した光景であるというものです。

 

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赤色や紫は、自身への誤魔化し、偽りなどを示しています。

 

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 若干青色には近いですが、まだ自分に嘘をついている(素直じゃない)という表現をしています。このように地味ですが、ちゃんと考えてますよ笑

 

色が違う月と偽物の世界

このPVでは2種類の月が登場します。窓の満月のオリジナルなので、流石にどこかで月は使わないとまずいなと思い加えたものです。(ベリーの絵にも素敵な月が描いているので、それに合せました)

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え、何で色が違うの・・・・・

 

これも先ほどの星と同様で、この色が違う月は自身の中で生み出した世界という表現です。つまり、星を見に行こう!と誘ったのはいいものの、素直な気持ちを伝えたいという強い欲求と、本当に伝えていいのだろうか・・・という自身の弱い部分が交差して、わけのわからない異次元な空間を自身の中で作り上げている様子を表現しています。

 

まあ、曲調は違いますが・・・・キリンジの「エイリアンズ」のような不思議な空間がイメージに近しいかもしれません。


キリンジ - エイリアンズ

 

文字の配置で曲の雰囲気を表現

Cメロの歌詞に、「星なんてどうでもよかった」というフレーズがあります。星なんてどうでもよくて、ただ君に逢いたかっただけなんだ・・・という素直な気持ちをなかなか伝えられない心情が込められてますね。この「どうでもよかった」というフレーズを表現するために、歌詞の配置を乱雑にしています。

 

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このように乱雑に歌詞を置くことで、歌詞のイメージに寄り添った表現ができました。そして、動画の一番最初に効果音として加えた風の音は、この光景を元に草原を駆け巡る風の音を表現して、空にはたくさんの星があるという雰囲気を作りました。

 

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こうして出来たオリジナルソングとPV

はい、無事に完成いたしました。そしてありがたいことに多くの方から感想をいただいております。この記事を読んで、さらにこのPV、そしてこの歌を好きになっていただけると嬉しいです。

 


窓の満月 - 星の向こうに

 

「星の向こうに」

作詞・作曲:江藤駿 / 編曲:S.Kanauchi / PV作画:ベリー / 協力:KTR

 

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