ブラブロ現代社会 国家安全法がわかりにくいから勉強してみた
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どうも、ブラザーです。
国際ニュースって今まであまり見てきませんでした。
以前、全人代について記事を書きましたが、
先日、その議会が開催されました。
そして、「国家安全法が採決された!」と
話題になっているものの、「なにそれ?」って
正直思う人も多いと思います。
この、国家安全法については、ニュースを見ても正直よくわかりません。ただ、中国と台湾、香港の歴史を見た上で、今のニュースを結びつけるとわかりやすくなってきます。
まずは、下記のニュース映像をご覧ください。
- 全人代は何をするところか
- 国家安全法の着目ポイント
- 中国・台湾・香港の関係は歴史を見るとわかる
- なぜデモは起きたのか!歴史から紐解く
- 国家安全法とは何か
- 天安門事件から31年に決まったこと
- 大学生が世界に呼びかける
- まとめ
全人代は何をするところか
Wikiペディアを見てみよう
全国人民代表大会(ぜんこくじんみんだいひょうたいかい、中国語: 全国人民代表大会、拼音: )は、中華人民共和国の立法府。国家の最高権力機関および立法機関として位置づけられる一院制議会である。
一院制議会がわかりにくい・・・
つまり、全人代はルール(法律)を決めることができる。そのための重大な会議であり、会議では一つの議院によって構成されるということですね。ここでいう議院は”共産党”のことです。その共産党の代表且つ国家の代表者は習近平国家主席ですね。
ここまでは以前のブログでも記載をしました。さて、この会議で決まったルールの一つ
「国家安全法」のポイントについて先ほどのニュース映像に注目してみましょう。
国家安全法の着目ポイント
●決まりごと
・国家の安全に危害を与えることは禁止
●影響
・香港の言論の自由がなくなる
・一国二制度の崩壊につながる
国に対して危ない行動(反政治運動)は禁止で、共産党の人が香港で監視もできるようにする。ということですね。ここで、なぜ下のような影響になるのか・・・これは、歴史を見ていかないとわかりにくいです。そして一国二制度という言葉も注目していきます。
中国・台湾・香港の関係は歴史を見るとわかる
共産党と国民党
もともと中国は清という大きな国でした。国民党で成り立っていましたが、
そこに小さく共産党の派閥がありました。ここで、共産党で成り立つ中華人民共和国と
国民党で成り立つ中華民国で争いが起きます。共産党の中心人物は毛沢東、国民党は蒋介石でした。
共産党は、国民党に打ち勝つことができ、国民党が流れついたのが、今の台湾でした。
つまり追い出すことに成功したわけです。もとは一つの国でしたが、こうして2つに分断をされてしまったというわけですね。
蒋介石と台湾
もともと台湾は、第二次世界大戦中は日本が統治してました。台湾の人が日本人に対して優しいのは、台湾のインフラ整備を一生懸命行なった経緯があります。台湾は5年間の紛争によりボロボロでした。そこで、紛争が終わって落ち着いたところで他の国に日本の力を見せつけるべく、インフラ整備を一生懸命やったことで、台湾はめっちゃいい国になりました。
ただ、お隣中国は水道すら通ってないボロボロ状況。そこから蒋介石が追い出されてきたんですが、日本がめちゃくちゃよくした台湾の状況を必死に奪い取ろうとしました。
もともといた台湾人は怒りましたそこで暴動を起こしました。蒋介石率いる国民党と、元からいた台湾人との争いを「二・二八事件」と言います。
台湾の代表を決める
蒋介石には任せられない!という不満からもともと台湾にいた人を代表にするために
李登輝が選任されました。李登輝は「国民党」と「民進党」の2つの政党に分けました。代表の決め方は、直接選挙という形で一般市民でも投票ができる民主的な考え方でした。ただ、国民党にとっては追い出されたこともありいつかは中国に戻りたいという気持ちがある。一方民進党は、蒋介石によってせっかくいい国だったのにボコされたという辛い過去があるから中国嫌い!というギクシャクした関係性にあります。
民進党から出馬した蔡英文の当選
最近、台湾関連のニュースで取り上げられるのが蔡英文総統に関する話題です。
WHOに加盟させないとか、一国二制度とか・・・このニュースを見てください。
台湾 蔡英文総統が再選「民主の声」史上最多得票(20/01/12)
上記に述べたように、民進党は中国が嫌いです。その民進党から、台湾を代表する人物
蔡英文(さいえいぶん)が登場しました。蔡英文氏は「中国の武力には負けないぞ!」と発言をしています。すごく強気ですよね。ただ、中国は台湾も一緒の国として引っ張ろうとしています。
一国二制度とは何か
ここでよくニュースで目にする
一国二制度は、中華人民共和国の政治制度において、本土領域(中国政府が対香港・マカオ関係で自称する際は「内地」)から分離した領域を設置し、主権国家の枠組みの中において一定の自治や国際参加を可能とする構想である
中国の政治の中には、共産党が掲げる「社会主義」と、香港・マカオ・台湾が掲げるそれぞれの主義の2つに分けられる考え方があります。ここについては、香港の説明の際に記載をしていきます。ですが、台湾からしたら嫌ですよねー。中国側の視点からは、台湾は中国の一つであるという認識で、台湾から見れば我々は一つの国であるという対立から、蔡英文総統は一国二制度を否定しているというわけです。
「なんで台湾って国なのに、中国と一緒やねん!」
ってことです。
なぜデモは起きたのか!歴史から紐解く
アヘン戦争で奪われた香港
今から120年前の1840年に遡ります。当時、中国はイギリスと貿易を行い、茶器などを輸出していました。しかし、ここで貿易摩擦が発生していきます。つまり、中国にばっかり物を買わされていたので、イギリスも何か中国に対抗できる品物を送ろうとしたわけですね。そこで出てきたのがアヘンです。このアヘンを中国にバンバン売ってました。麻薬のアヘンはめっちゃ売れましたが、今度は中国側が買わされ続けたので、対抗してアヘンを燃やしました。イギリスからしたら「おいおい!何してくれとんじゃ」という感じになりますよね。ここで起こったのがアヘン戦争です。
産業革命でウハウハだったイギリスにとって、中国をボコボコにするのは楽勝でした。
この戦争で、中国は今の香港をイギリスの領地とされてしまいます。香港は一度第二次世界大戦で日本の領土になりますが、日本が敗退した後はまたイギリス領として戻されます。1997年の香港返還まではイギリスの土地だったわけです。先にも述べたように、産業革命でウハウハだったので、香港ではイギリスの恩恵もあり街がどんどん栄えていきました。
しかし、いざ香港返還になると、
「えー今更中国にもどるのー」
と不満を訴える国民が多かったわけです。
せっかく潤っていたのに、共産党の監視が激しい
中国に戻されるのが不満だったんでしょう。
戻ってきて欲しいから「香港基本法」を掲げる
そこで、当時国をまとめていた最高指導者である鄧小平が掲げたのが”一国二制度”でした。「香港基本法」を掲げ、政治や言論の自由は奪わないから、
「とりあえず50年我慢してねー」
としたものです。しかし、香港のトップにいざ誰がなるかとなった時に、とりあえず共産党が代表をひとまず決めて香港におきました。(なんか怪しい)
ここで自由の保護に対する考えが怪しくなってきます。次のトップを決めるという時に、国民への選挙権は与えられましたが、立候補者は共産党が決めるという謎の決まりを設けました。
「はい!君と君ねー」
「じゃぁ、この中から選んでくださーい」
当然、共産党の息がかかった人間が選出され、香港の人々はその中から代表を選ばざる得なくなります。どんだけめちゃくちゃなんだって話ですよね。このことに対する抗議デモが起こったのが「雨傘運動」です。雨傘という名前になったのは、デモ隊を鎮圧するために警官隊が催涙スプレーをかけていたので、それを防ぐために傘をさしたことから、その光景を元に名付けられました。
本屋の店員が街から消える!?
さらに香港に追い討ちをかけたのが2015年の書店員失踪です。香港では、政治家の汚職や反政治活動を取り上げた出版物を扱うことはOKでした。あの有名な天安門事件に関する話題の出版物も含まれます。しかし、相次いで本屋の店員が行方不明になる謎の事件が起こりました。その1年後、行方不明だった店員が戻ってくると静かに本屋を畳んだそうです。
行方不明だった書店員が明かしたのは恐ろしい事実でした。それは中国共産党によって拉致をされ、拘束され続けたというものでした。さらに、顧客リストなどを提出するよう求められ、あらゆる恐怖に耐えきれなくなり本屋を閉じたということでした。
このことから、もはや一国二制度は成り立っていない!と考えた香港の人々がさらに共産党への不満を募らせ、中国に対する抗議が過熱化していきました。そして、ついに2019年から始まるデモのきっかけとなる出来事が起こったわけです。
逃亡犯条例の改正案提出がきっかけだった
「逃亡犯条例」と言われてもわかりにくいですね。簡単に言えば、中国本土から「犯罪者」と認定されれば、香港であろうが中国で罰することができるというものです。これでは、香港にとっては一国二制度が成り立たないと思われて当然です。
この改正案ができた理由は、香港のカップルが台湾で旅行中に、浮気して妊娠した彼女を彼氏が殺して、台湾で遺棄したのがきっかけでした。彼氏は香港に戻ってきた後に、殺した彼女のキャッシュカードで現金を引き落とし、それが見つかって逮捕されました。しかし、香港では窃盗罪でしか取り締まれず、台湾でないと殺人罪とならないわけです。問題は、台湾と香港の間では犯人を引き渡す法律は存在しませんでした。そこで、逃亡犯条例の改正案ができました。林鄭月娥行政長官が掲げましたが、行政長官は共産党の息がかかった人物です。
これに対しては、ついに香港市民も爆発しました。そしてあの大規模デモが発生したわけです。まあ中国政府が「お前犯罪者な」と言えば、香港市民であろうが共産党の監視のもとで罪を償わされるわけなので、そりゃデモを起こしたくなりますよね。
この後、逃亡犯条例改正案に関しては一時撤回となったと報道され、香港デモは落ち着きを見せましたが、コロナウイルスが中国全土で蔓延し、さらに全人代で採決された「国家安全法」が追い討ちをかけました。
国家安全法とは何か
ここで改めて、国家安全法のポイントを見てみましょう
●決まりごと
・国家の安全に危害を与えることは禁止
●影響
・香港の言論の自由がなくなる
・一国二制度の崩壊につながる
政府に対するデモ活動が禁止ということです。また、出先機関という点を見ると、香港に共産党の機関が設置されれば、香港市民にとって監視社会が成り立ってしまうことになります。こうなると言論の自由どころか、基本法で掲げたことない50年の約束もわずか23年で崩壊し、一国二制度がなくなってしまうということになります。
実は、この国家安全法については、立法会(香港の議会)でも検討されてましたが、自由がなくなることに対して反対していた市民によって、なかなか採決まで至りませんでした。なかなか決まらない状況にイライラした中国のトップたちは、
「じゃぁ、俺らで決めちゃえばいいんじゃね」
ということで奥の手を使います。
それが「全人代」です。
香港基本法の18条に「中国全人代常務委員で決めたことは 、中国全土で適用可能」という恐ろしい抜け道があります。ここを利用して採決を加速化させたわけです。さらに、この採決を加速させたのは、新型コロナウイルスによりアメリカが大ダメージを受けているということでした。
アメリカは中国政府が嫌いです。なので、中国政府に反発する香港は、なんとしてでも守りたいところです。だからこそ、優遇措置をとってきました。ただ、守ってくれるアメリカが、今やコロナショックと黒人男性の殺害事件のデモによってトランプさんも大忙しです。この間に、どんどん加速して中国では決まりごとが進んでいきます。
天安門事件から31年に決まったこと
天安門事件を正当化 中国政府「道は正しかった」(20/06/04)
天安門事件から、本日6月4日で31年が経ちます。中国政府が「道は正しかった」とのべる一方で、香港では追悼式が行われました。この追悼式は、もちろん中国政府は反対としています。香港市民にとっては、これも一つの中国への訴え、そして世界への訴えということが言えます。
そして、香港議会では「国歌条例案」というものが本日可決しました。これは中国の国歌に対して侮辱しちゃいけねぇよ!という条例です。これでまたデモが激しさを増しています。360人近くのデモに参加した人々が拘束されたとのことです。
アメリカは香港に制裁を与えると話しています。これは、国家安全法が8月頃に可決した際に、一国二制度は崩壊を迎えるということからのことです。そして、イギリスでは300万人近くの香港市民を預かりまっせー!という申し出もあるそうです。もちろん、習近平主席は反対していますし、国家安全法には「外国からの干渉もダメよ」というルールもあります。これから香港がどうなっていくのか、非常に国際情勢と共に注目がされているわけです。
大学生が世界に呼びかける
香港の周庭さん(23)が世界に対し、今の香港の実情を呼びかけています。15歳で政治活動をはじめ、一度捕まっています。そして、現在も保釈の身であり、この国家安全法の件で捕まれば、長期の禁固刑になる恐れがあります。
「いまはとっても怖い、すごく怖いです。でも、だからこそ、声をあげることは、今やらなければいけない。私たちは、絶対に沈黙しません。抗議の声を上げ続けます。」
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) 2020年6月2日
https://t.co/qOw6olx51v
今、彼女は香港から海外に渡航することが禁止されています。23歳で国に監視されながら生きている。それでも、香港市民の自由を呼びかけるために、連日日本語でわかりやすく香港の実情をTwitterで呼びかけています。
まとめ
ここまでニュースをまとめると、デモが起こっている背景には、監視下に置かれて自由が奪われる将来を不安視した香港市民の訴えが隠れていますね。そして、コロナウイルスがさらに世界を加速させ、今後香港市民は国際社会に対し訴えていく必要がありますが、国家安全法によって妨害をされるという境地に立たされています。さあ、ここからどうなっていくのでしょうか。
そして、日本は最近中国と仲良しになってきています。ここで日本は一国二制度を保とうぜ!と中国に言えるでしょうか。ここも注目になってきますね。ただ、中国は日本も狙っているという話も実際にはあります。現にすでに日本のある地域では、北京語の授業が始まってます。
明日は、わが身かもしれないですね。だからこそ、今からニュースを見ておくことは大事なのかもしれません。
◆中国の歴史、全人代をより詳しく
◆参考