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今、建設業界が危ない。大手ゼネコンの現場ストップについて解説。


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ここ最近のニュースは全てコロナウイルスの内容ですが、渋谷駅の利用者も98%減にこの土日はなったそうですね。外出自粛による”コロナ疲れ”という言葉が生まれるほど、自宅に篭る生活が続いて大変かもしれませんが、早く収束することを願うばかりですね。

 

さて、コロナウイルス関連のニュースにはなりますが、大手ゼネコンが次々と事業所を閉鎖する動きが出ているそうです。

www.asahi.com

www.jiji.com

 

「ただ工事が中止になっただけでしょ」と感じる方もいるかと思います。おそらく自身が前職で建築・建設の関係の人間でなかったら、同じことを感じていたかもしれません。しかし、この内容は”とんでもないことである”ということを、自身の前職の経験も踏まえて解説を行いたいと思います。

 

そもそも「ゼネコン」って何よ

ゼネコンの話をする前に、建築・建設の流れについて書きます。下記のように図にしてまとめました。非常にややこしい流れです笑

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建物ができるまでの流れは、簡単なようで実は複雑です。簡単にまとめると2つの流れに分かれます。「設計工程」「建築工程」の2つです。意味は、それぞれの通りですが、「これくらいのお金でできそうですよー」という段階までまとめるのが、設計事務所の役目です。次に、誰が建てますかー!この予算でできますかー!と仕事をしたい会社を募り、条件を与えて選定するのが「入札」です。そして、その建物を建てる事に対し、一任される会社が「ゼネコン」「工務店」と呼ばれる施工会社(元請け)となります。

公共事業の場合は、一社独占はできませんので設計から施工まで入札で会社を決めますが、民間の場合は特に決まりはないため、元請け会社が一任して設計から施工まで請け負う場合もあります。

 

ゼネコンが動かなくなると何がまずいの?

建物ができるまでの前段階についてはわかりましたか。つまり、この元請けは施主が決めた予算内に仕事ができないと、追加でお金をもらうか、自身の会社が赤字で作業をしなければなりません。(まぁ、実際最終的に赤字になりましたということはよくあることです)

 

そのために、元請けは「大工」「材料」「設備」などに対し、それぞれの下請け会社と交渉を行い価格を決めて現場納品まで行ってもらいます。

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最終的な到着地点は、もちろん「お施主様への建物引き渡し」です。例えば、幼稚園で考えてみましょう。4月に開園するとした時に、そこまでに向けて工事の日程を調整します。これが「工程」です。この工程には、入札後の土地の検査から、基礎工事、材料検査、材料搬入予定、建て方(建物を建てること)、上棟予定(骨組みが完成すること)、内部工事、外周工事、完了検査、竣工、引き渡しまでの流れがビッシリ書いてます。それぞれ大きな工事の範囲わけ(工区分け)に対して、どんな材料をいつまで入れるべきか、作業員の人数は何人入れるべきかなども想定し、日々微調整を行いながら工事を進めていきます。

 

仮に4月に完成しないと、そこに入園をする予定だった園児たちは途方に暮れる事になりますね。だからこそ、工程というのは非常に重要です。

 

元請けのゼネコンがストップする=工事が止まる事になります。そうなると、その下請け業者は、その期間仕事がなくなるだけでなく、材料業者であれば製造をストップしなくてはいけません。いつまでも材料を置いておくこともできないので、次の材料も作れなくなってしまいます。下請け、孫請けが次々と被害を受ける事になります。

 

元請けは完成までの工程を組み直す事になります。今5月6日まで工事をストップすると記事には記載あるので、約20日間ストップする事になりますね。この20日間は、現場によりますが非常に大きな影響を出すと思います。人手を増やす、作業時間を増やす、完成予定日を動かすなどの選択がありますが、他の現場にも影響を及ぼす事になります。

 

人手に関しては、仮に木造建築で1000平米の物件として考えると、1日6人の大工さんで120平米建てる場合、約10日間かかります。1人の費用(人工)を25,000円とした場合、1日150,000円ですね。10日で1,500,000円損失が出ます。これがさらに大きな物件で、たくさんの人を雇う場合は、とんでもない金額損失が出ます。そして、オリンピック事業で人手不足が続いた中で、これからさらに工事が遅延をすれば、1人あたりの費用がさらにかかり、苦しさが増していくわけです。

 

建設業界が動かなくなると危険

建物が完成しなければ、その建物を利用する予定だった人は使えません。上記で例にあげた園児の状況となってしまいます。コロナウイルスの早い収束を願うばかりですが、それぞれの業界に、どれだけの影響が生まれるのかを把握することも大事なことです。その上で、一人一人の取り組みが、コロナウイルスの収束に繋がると思います。コロナ疲れ、自粛疲れと言われている昨今ですが、最前線で闘っている方々を応援すると共に、私たちが今できることを考え行動しましょう。

 

それではまた。