最優秀アーティストを受賞し、アレンジャーとして今想うこと
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先日、誕生日を迎え29歳になりました。私が所属する社会人アカペラサークルの代表、山◯氏がTwitterで34歳と記載したことで、本当に34歳と思っている方から「34歳おめでとうございます」と声をかけられるたびに、お詫びと訂正を行なっております。
まだ20代なんだよー!!!!
んで、タイトルにも書きましたが、6月に渋谷で開催された「SHIBUYA ACAPPELLA STREET」で、窓の満月が最優秀アーティスト賞を受賞致しました。応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
ORICON MUSICに掲載されました
ライブの詳細や受賞については、なんとORICON MUSICに記載されました。
先日の渋アカについて、ORICON MUSICに掲載されました!窓の満月の写真も掲載されています!https://t.co/dykeq4mSXT
— 窓の満月 (@acmado_man) July 2, 2019
最優秀アーティスト賞を受賞して
窓の満月はライブ出演数は多いものの、なかなかタイトルを取ることができず模索をしていました。私自身も、大学の頃からアカペラを続けていますが、実績として残しているものはなく、正直言うとバンクリや楽譜制作の依頼を受けるときは、そこが自身にとっての弱みでした。
窓の満月のアレンジは全て担当していますが、上記のこともあり、「自身の書いた楽譜は多くの人に認められるものなのだろうか・・」という悩みを持ったことも正直あります。今回の受賞で一番嬉しかったのは、自身のアレンジを多くの人に聞いていただけたことと、それを認めて頂けたことです。特に、何度も模索して制作をした「心の瞳」と「ベイビー・アイラブユー」の2曲でタイトルを獲れたことは、非常に嬉しく思っています。
心の瞳の解説は、下記の記事に記載されています。
アレンジャーとして
この10年アカペラをやってきた中で、やはりアレンジという観点でも、制作環境も含めどのような音楽が好まれるのかなど、10年前とは大きく変わっているように感じます。
具体的な変化といえば、例えば楽譜の販売サイトが増えていることや、アレンジャーが増え学ぶ機会、交流が増えてきていること。そして、海外のアーティストなどとSNSを通じてコミュニケーションを築けるようになってきていることです。アカペラーの人口が増えれば、当然のようにアレンジャーも増えるわけであって、教える機会や教わる機会も多くなりつつあります。
ただ、10年前も今もあまり変化していないことは、「アレンジャー」という担当をバンド内でつくり、「楽譜を作るのはあなたなので、楽譜ができるのを待っています」というバンドが今も多いことです。
「はじめての人も簡単に楽譜が作れる!」という本とか言葉を耳にしますが、たしかに触りは簡単でも、やっぱり歌いやすい楽譜を作るのは、経験がないと難しいです。だから、楽譜を読むのも苦手という人に対して「楽譜を書きなさい」とは言いませんが、「アレンジャーがどんな気持ちで、どれだけの時間をかけて作ったか」だけは理解をして欲しいのが本音です。
楽譜を丁寧に、楽譜を大切に
構想時間:3時間〜1週間
制作時間:8時間〜2週間(メロディー含め)
スキャット入れ、微調整:1時間
上記が、僕のだいたいの制作に要する時間です。これを普段は仕事から帰宅後に行っています。平日の夜に練習があれば、家に帰ってきて23時頃で、そこから作業開始です。
ここで言いたいのは、忙しそうだから楽譜依頼をしないほうがいいかも・・・ということではなく、これだけ時間をかけた楽譜を無駄にしてほしくないということです。無駄にというのは、一番簡単な言葉でいえば「お蔵入り」ですよね。自分が大切に育てた子供を殺される気分と一緒です。
アレンジャーがどのような想いで、どれだけ時間をかけて作ったかを理解すること。そして、アレンジャーも自身がどのような想いで作ったかをバンドに共有することは大事なことです。せっかく時間をかけて選んだ曲、そして楽譜を大切にしてほしいです。
アレンジを依頼するときは最低限のマナーを
最近このことについても様々な話を聞きます。アレンジだけでなく、人に依頼するときは最低限のマナーは守るべきだと感じています。最低限のマナーとは「挨拶」です。
「え、そんなの当たり前じゃん。ちゃんとしてるよー」
バンド内で楽譜がアップされたとき、ちゃんと「ありがとう」の一言はいえてますか。当たり前のことですが、この一言があるとないとでは楽譜制作のモチベーションにも大きく影響するので気をつけましょう。
アレンジャーとともに考える
窓の満月は、アレンジをするときに僕だけが制作するのではなく、リーダーのしゅん、コーラスのけんたを交えて討論しながらチームで制作をしています。そして、楽譜が出来上がる頃には、すでに歌う側にもイメージをもった状態で、楽譜を渡すことができています。
もし、楽譜をアレンジャーに一任しているようであれば、少しだけアレンジャーと話してみるといいと思います。アレンジャーも、自分自身で完結しようとせずに、バンマスに「こういう感じどうかなー」と一言声かけをするともいいと思います。
今回、受賞したきっかけとなった2曲は、僕だけの力ではなく、みんなで作った曲だったので、その曲を聴いていただいた皆さんに評価をいただいたことは、改めて非常に嬉しく思っています。
互いを理解し、互いに目標に向かうことを大切にしていくと良いと思います。自身にも言い聞かせながら、これからもたくさんの方々に僕のアレンジが届くことを願っています。
たびともさんと一緒に写真撮ったよー